厨房機器は「現金一括購入」から「分割・リース」へ:初期費用を抑える賢い選択とは?
飲食店を始める際に避けて通れないのが「厨房機器」の導入です。冷蔵庫、コンロ、オーブン、食洗機など、営業に欠かせない設備は一式そろえるだけで数百万円にのぼることも珍しくありません。そこで注目されているのが、「現金一括購入」ではなく「分割契約やリース契約」での厨房機器導入という選択肢です。
この記事では、分割払いやリースを活用することで初期費用を抑え、無理なく店舗経営をスタートさせる方法について詳しく解説します。
厨房機器の現金購入はハードルが高い?
新規開業や業態転換のタイミングで、多くのオーナーが悩むのが設備投資の資金調達です。厨房機器は高額になりやすく、中古品でそろえたとしても、数十万円から数百万円の出費は避けられません。以下は厨房機器の一例とおおよその価格帯です。
- 業務用冷蔵庫:30万〜70万円
- 業務用ガスレンジ:20万〜50万円
- フライヤー:15万〜30万円
- 食器洗浄機:40万〜80万円
これらを一括で購入すると、初期費用が一気に跳ね上がり、資金繰りを圧迫してしまいます。特に開業直後は売上の見通しが立ちにくいため、キャッシュを手元に残しておきたいのが本音でしょう。
分割払いやリースを活用するメリット
厨房機器の購入において、分割契約やリース契約を活用すれば、初期の資金負担を大幅に抑えることができます。主なメリットは以下の通りです。
1. 初期費用を抑えられる
最大のメリットは、まとまった現金を用意する必要がないことです。初期費用を抑えることで、内装費、人件費、広告宣伝費など他の重要な費用に資金を回すことができ、よりバランスの取れた資金計画が立てられます。
2. 最新機器を導入しやすい
分割払いやリースなら、現金では手が出しづらい最新の厨房機器や高性能モデルも導入可能になります。最新機器は省エネ性能や作業効率が高く、長期的にはコスト削減にもつながる可能性があります。
3. 固定費として経費計上が可能(リースの場合)
リース契約の場合は、リース料を毎月の経費として処理できます。これにより税制面でのメリットがあるほか、損益計算書上も管理しやすくなります。
- キャッシュフローの見通しが立てやすい
リースや分割払いは毎月の支出額が一定になるため、キャッシュフローの管理がしやすくなります。予測しにくいイレギュラーな出費を避けられることで、資金繰りの安定につながり、経営判断がしやすくなります。特に開業直後や繁閑差の大きい業態では、この「支出の平準化」が大きなメリットとなります。
分割払いとリース契約の違いとは?
厨房機器の導入にあたっては、「分割払い」と「リース契約」のどちらを選ぶかも重要です。それぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 |
分割払い |
リース契約 |
所有権 |
最終的に購入者に移転 |
リース会社が所有 |
月額費用 |
金利含む支払い額 |
リース料として定額支払い |
契約期間終了後 |
自分の資産として保有可能 |
機器を返却、または再リース契約 |
経費処理 |
減価償却として処理 |
リース料として全額経費計上可能 |
どちらを選ぶかは、経営戦略やキャッシュフローの状況によって判断しましょう。たとえば、将来的に自分の資産として保有したい場合は分割払いが適していますし、機器の入れ替えを頻繁に行いたい場合はリースの方が柔軟性があります。
初期費用を抑えた分割・リース導入の実例
ここでは、実際に分割払いやリースで厨房機器を導入し、成功している飲食店の一例を紹介します。
ケース1:居酒屋オーナー(東京都・30代男性)
都内で居酒屋を開業した30代の男性オーナーは、厨房機器一式に約200万円かかる見積もりを受けて悩んでいました。そこで、分割払いを選択することで、初期の現金支出を大幅に抑えることに成功。
月々約4万円ずつの支払いに設定することで、無理のない資金計画を立てながら店舗運営をスタートさせることができました。
「現金一括だと開業資金の半分以上が厨房設備で消えてしまう状況でした。分割にしたことで、広告費やオープンイベントなど、集客に必要な費用に資金を回せたのが大きかったですね」と語っています。
導入の際に注意したいポイント
分割払いやリースにはメリットが多い一方で、注意点もあります。
- 契約内容を細かく確認すること:金利やリース料率、途中解約の条件などを事前にしっかり確認しましょう。
- 必要な機器を明確にすること:不要な設備まで契約してしまうと、無駄な出費につながります。
- 信頼できる業者を選ぶこと:厨房機器の販売・リース業者には実績や対応力に差があります。複数社を比較検討するのがおすすめです。
まとめ:厨房機器は「賢く導入」する時代へ
飲食店の成功は、初期の資金計画が大きな鍵を握ります。厨房機器を現金で一括購入するのではなく、分割払いやリースを活用することで、初期費用を抑えながらも必要な設備をそろえることが可能です。
経営をスタートさせる際には、資金繰りの安定とキャッシュの確保が重要です。厨房機器の導入方法を見直すことで、よりスムーズな開業・運営が実現できるでしょう。
「必要な機器を、必要なタイミングで、無理なく導入する」。この考え方が、これからの飲食業界でますます求められるはずです。
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