日本の法人は約300万社という認識で、おおむね正しいです。
ただし、最新の国税庁統計では法人数は約346万法人。そのうち約6割が税務上の赤字法人です。
1. 日本の法人・中小零細企業の実態
国内法人数
346万
2025年6月末中小企業比率
99.7%
2021年調査赤字法人比率
60.3%
2024年度企業規模別の内訳
中小企業庁の公表値(2021年6月時点、個人事業主を含む)です。
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区分 |
企業数 |
全体比 |
|---|---|---|
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大企業 |
約1.0万 |
0.3% |
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中規模企業 |
約51.2万 |
15.2% |
|
小規模・零細事業者 |
約285.3万 |
84.5% |
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合計 |
337.5万 |
100% |
つまり、日本の企業の約85%は小規模・零細事業者です。
なるほど・・では 飲食店ではどうでしょうか?
飲食業に絞ると、日本全国に**約55万店舗(事業所)**あります。個人経営の小さな飲食店も含む数字です。
飲食業の市場規模と経営状況
飲食店・飲食サービス事業所
55.0万
2021年時点倒産高リスク企業比率
44.4%
2024年・TDB調査対象年間倒産件数
900件
2025年・法的整理出典:経済産業省、帝国データバンク。
ここで重要なのは、44.4%は赤字率ではなく、帝国データバンクが分析した企業のうち倒産リスクが高い企業の割合だということです。全国55万店舗の44.4%が倒産危機にある、という意味ではありません。
また、2025年の900件は負債1,000万円以上の法的整理による倒産で、任意廃業や店舗閉鎖は含まれません。
**ある程度計算した赤字かやや黒字・・・の事業者さんもいそうですよね>
そうですね。特に飲食業では、意図的に利益を抑えている事業者と、本当に経営が苦しい事業者が混在していると思います。
例えば、オーナー経営の飲食法人であれば、役員報酬、家族への給与、減価償却費、経費の計上などによって、最終利益が赤字またはわずかな黒字になることがあります。
ただし、すべてが節税目的とは限りません。適正な経費を計上した結果、赤字になるケースもあります。
飲食業の赤字は大きく4つに分けられる
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タイプ |
財務状況 |
事業の実態 |
|---|---|---|
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① 意図的な低利益 |
赤字〜微黒字 |
オーナー所得は確保できている |
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② 償却による赤字 |
会計上赤字 |
営業キャッシュフローはプラス |
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③ 実質的な赤字 |
営業赤字 |
資金繰りが徐々に悪化 |
|
④ 経営危機 |
赤字・債務超過 |
借入返済や家賃支払いが困難 |
例えば、年商5,000万円で税引前利益がマイナス100万円でも、役員報酬が1,000万円、減価償却費が300万円なら、オーナーの働き方や買収後の経営体制によっては、十分に事業価値がある可能性があります。
ただし、役員報酬は経営者の労働対価でもあるため、全額を利益として戻せるわけではありません。
赤字や返済が苦しい場合は、どういった手法で債権や売却する方法がありますか。またどのくらい実施できているのでしょう?
結論からいうと、借金の返済が苦しい飲食店でも、破産せずに事業や店舗を売却する方法は複数あります。 また、金融機関に返済猶予を求めること自体は、決して珍しいことではありません。
ただし、重要なのは次の区別です。
事業を売却すること:店舗・設備・営業権などを現金化する。
債務を整理すること:金融機関への返済を猶予・減額・免除してもらう。
事業を売却しても借金が自動的に消えるわけではありません。両方を組み合わせる必要があるケースも多いです。
1. 飲食店で利用できる7つの手法
手法
内容
適したケース
① リスケジュール
元金返済を一時停止・減額
営業は継続できるが返済が重い
② 借換え・返済期間延長
月額返済を軽減
今後の収益改善が見込める
③ 居抜き・造作譲渡
厨房設備・内装等を売却
店舗を閉鎖したい
④ 事業譲渡
店舗営業・従業員・ブランド等を移す
営業価値が残っている
⑤ 第二会社方式
事業を別会社に移し旧会社の債務を整理
多額の借入があるが事業は残したい
⑥ 私的整理・債権放棄
債権者と返済減額・免除等を合意
リスケだけでは再生困難
⑦ 破産・民事再生等
裁判所を利用して整理
任意の交渉では解決困難
①②は借金の元本が原則残ります。⑤⑥で債務の減免を伴う場合には、債権者の同意、適正な企業価値評価、公平性などが重要です。
金融庁+12. 実際にどのくらい利用されているのか
出典:財務省、2026年9月30日公表。政府系金融機関の条件変更実行
217,127件
2025年4月3日〜2026年8月末の累計、貸付債権ベース審査結論が出た案件の実行率
99.81%
政府系金融機関、同期間財務省ここは重要です。日本政策金融公庫など政府系金融機関では、条件変更を申し込んで審査結論が出た貸付債権のうち99.81%が実行されています。
ただし、これは金融機関の貸付債権単位であり、21万社が支援されたという意味ではありません。また、飲食業以外も含みます。
元金返済の猶予・延長を求めることと、借金の元本を免除してもらうことは、難易度がまったく違います。
3. 公的な事業再生支援は年間どのくらい成立しているか
中小企業活性化協議会の2024年度実績では、全国・全業種で次の数字が公表されています。
項目
年間件数
相談件数
8,761件
再生計画策定支援の完了
1,340件
再チャレンジ支援の完了
1,118件
出典:中小企業庁・中小企業活性化協議会の支援実績。
中小企業庁ここで1,340件は、再生計画の策定支援が完了した件数です。債権放棄が1,340件成立したという意味ではありません。
また、再チャレンジ支援には、廃業や保証債務整理に向けた専門家への橋渡し等も含まれます。
つまり、金融機関への返済条件変更は相当数実行されている一方、専門家が関与する本格的な再生計画は年間千件台という規模感です。
飲食店ではどうか
2025年に確認された飲食店の法的倒産は900件で、その77.3%に当たる696件が負債5,000万円未満でした。
株式会社 帝国データバンク[TDB]しかし、飲食業に限定した次の全国実績は、確認できた公表データだけでは把握できません。
リスケを実施した飲食事業者数
債権放棄を受けて再生した飲食事業者数
借金を残して居抜き・事業譲渡を実行した件数
居抜き譲渡や任意の事業売却は非公開の相対取引も多いため、倒産900件という数字だけで飲食店の再生・売却市場を推計するのは危険です。
4. 具体例:借入金1,000万円の飲食店をどう処理するか
例えば、公庫500万円、信用金庫500万円の借入があり、現在の店舗を売却したいとします。
説明用の単純化した例。譲渡費用・税金・他の債務は考慮していません。想定ケース
借入1,000万円・店舗譲渡価格300万円
売却しても借入金を全額返済できない飲食店
この場合、選択肢は主に3つです。
A:300万円を返済に充当して、残額700万円を分割返済する
事業を売却した後でも、別の収入源で返済できるなら成立余地があります。返済条件は金融機関との合意が必要です。
B:300万円を返済し、残債について債権放棄を交渉する
私的整理等を利用する方法です。ただし、300万円を返済すれば自動的に700万円が免除されるわけではありません。債権者への説明、資産調査、清算価値の検証などが必要です。
C:返済困難であれば、弁護士を通じて破産・保証債務整理を検討する
個人事業主の場合は本人の債務、法人の場合は法人債務と経営者の個人保証を区別して整理します。
特に注意したいのは、金融機関の同意を得ないまま事業価値を低額で移転し、借金だけ旧会社に残すような処理です。詐害行為取消し、否認、役員の責任などの問題になり得ます。
色々な方法があるようです。
条件の変更=月間:10,000件
公的な事業再建=月間:100件
当社は中小企業庁認定支援機関として取り組みを進めています
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事業のヒント
中小企業庁の再建の事例をご覧ください
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/pamphlet/torikumijireisyuu.pdf
(日本全国、様々な取り組み、、勉強になります!)



