テンポスHD森下社長「M&Aで外食500億円規模に」
Leader’s Voice

中古厨房機器の販売を手掛けるテンポスホールディングス(HD)が、外食産業へのM&A(合併・買収)や出資を積極化している。5月には宅配すし企業を買収し、居酒屋チェーンのマルシェを持ち分法適用会社にすると相次ぎ発表した。森下篤史社長に狙いを聞いた。
――なぜ祖業の中古厨房機器販売ではない外食企業を買収しているのですか。
「祖業の中古厨房機器事業を通じて、商売が立ち行かなくなって閉店する飲食店をたくさん見てきた。この知見を生かして飲食店の経営支援サービスを展開している。外食企業を経営することで、飲食店の経営を立て直すノウハウをさらに培っていきたい」
「これまでに4社の外食企業に対して出資やM&Aをした。今後もM&Aと店舗数の拡大を進め、外食事業で売上高500億円の規模にしたい。外食事業で店舗数を広げられれば、厨房機器の物販も伸ばすことができる。外食事業の展開を軸に全社売上高1000億円を目指す」
――M&Aの選定基準を教えてください。
「新型コロナウイルスの感染が拡大した時に外食産業は大きな痛手を受けた。業種や売り上げ規模にこだわらず、時価総額が100億円に満たない企業に片っ端から打診している。買収した企業を成長させて売却するなど、再生ファンドのような役割も担いながら収益性を高めていきたい」
――国内の外食産業をどのように見ていますか。
「国内市場は少子高齢化で、大きな成長が見込みづらい。外食事業で東南アジアへの出店を検討しており、海外市場へ積極的に参入していく。海外展開に向けて社員の教育など既に国内で準備を進めている」
――人手不足にどう対応していきますか。
「外食企業は深刻な人手不足に悩まされており、国内の労働力だけでは運営が回らなくなっていくだろう。テンポスは外国人を積極的に幹部として登用している。3K(きつい・汚い・危険)という環境で働かせるのではなく、中堅職や幹部候補となる人材を育てていく」
「国内の労働力不足に向けて、24年にミャンマーに日本語学校を設立した。人材派遣子会社を通して、200人の卒業生を日本の外食企業に派遣した。ミャンマーだけでなく東南アジア各国に日本語学校を作り、27年までに累計3000人を日本に派遣したい」
(聞き手は永松梨菜)
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